美しきバルール11

 私が油絵を始めた高校3年生と同時期、は、突然「ネパールに留学する!」と父に宣言する。
 大反対された結果、ネパール留学を決行すべく家出をした。
詳細は、姉の著書ーもっとあたしは、世界を見たい」でどうぞ。

 数ヶ月経った頃、消息不明だった姉の居場所がわかる。
 2駅先の理解ある大家さんの2階に、間借りをしていた。 
家出先は、意外にご近所だった! で、親戚中の猛反対を押し切り、
 姉はネパール留学を敢行するのだが、
その間、借りていた部屋を使って良いことになった。

 家では、母の介護の為に一日中、いろんな人が出入りし、 
その中で、介護に素知らぬ振りをして
娘が絵を描いている という図は、
さすがにマズい。
外の部屋を使わせて
もらえるのは、いろんな意味で息抜きになった。

 油絵第2作は、課題の「自画像」
鏡を見ながら、ひたすら描いた。
 ちょうど文化祭の時期で、
出してごらんと勧められたコンクールに
自画像を出品してみた。
 それが、なんと金賞をいただいたのでアル!

ただ、自分の為に描いた絵が
評価されるなんて、
全く予想してなかったので、
これはこれは嬉しい事件だった。

 みんなに「おめでとう!」「スゴいじゃん!」と
言ってもらえて、
今まで隅っこにいた自分に
ライトがあたって
気恥ずかしくも、やっぱり嬉しい。

 日頃、「口べた」でもどかしいな〜と思うことが
多々あり、
足りないコミニュケーション能力は、
絵を描けば作品が補ってくれる気がして、
 それから絵にのめり込んで行った。
 
特に取り柄がない、と思っていただけに、
人に「スゴい!」と言ってもらえる喜びは大きく、
 もう、これをきわめれば、人と同じ場所立てるんだ!ととにかく熱中する。

 気になる美術展があれば、
苦手な電車を乗りついで、都心まで行く。
混雑してる電車は、美術展のリーフレットをみつめ、手帳に詩をかくことでなんとか
やりすごせた。

 目標があれば、多少の苦手はなんとかなったし、 
良い展覧会を見た後の感動は、
なんとも言いがたく
そのときは、気持ちが穏やかになって、
ひろがる幸福感をジッと噛み締めるのだった。 

丁寧に時間をかけた贅沢な作品は、目に見えない時間を閉じ込めたもの。
それが飾られた場所の空気を本物にします♫

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イタリアで美術を学んだ画家と、楽しい学びの時間

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