絵を描くきっかけは、思わぬ所にあった。
昼間働いていた花屋の同僚Kさんが、
知り合いの整体所を紹介してくれた。
そこには、私みたいな子供が通っているらしい。
行けば何かが変わるのかも知れない。
電車は、正直、あまり乗りたくなかったが、
思い切って整体所のある中野まで行ってみた。
込み合う電車が苦手な私。
へとへとになってたどり着いた整体所には、
確かにちょっと行き場を求めている子供が
出入りしていて、そこで整体してもらったり、
ご飯を食べさせてもらったり、
本を読んだり、好きなように過ごさせてもらえた。
子供の様になった母親のかわりに、 そこのTさんによく面倒をみてもらった。
今でも、本当にお世話になったなあ〜と思う。
(Tさんのように、他人の私にも
ビックリする程愛情をくれて、面倒を見て、
おりおり真剣に気にかけてくれる人が、
高校や、いろんな場面で結構いて、
今まで、そういう人に本当に助けられてきた。
本当に有り難い。)
しばらくたって、整体の先生が、
「絵をかいてごらんよ」としきりに勧めてくる。
まだ、アクセサリーをつくる
ことにも凝っていたので、
煮え切らない返事をしていたら、
ある日「ついてきて〜!」と近所の画材店に
連れて行ってくれた。
小さい店内に、見慣れぬ画材が山盛りになっている。
目を白黒させていたら、
「これでどうかな?」と
油彩道具一式を突然プレゼントされた。
イギリス製、ウインザー&ニュートン社(老舗メーカー)
の素敵な油彩セット!
ごく簡単な水彩セットを想像していた私は、
あまりに本格的すぎるプレゼントにビックリ。
ここまでしてもらったら、描かないわけには
いかないなあ〜。
そこで、どうせなら教室で教えてもらおうと
教室も探して、絵画を始めることになった。
油絵のチューブを開けると、
ワクワクする様な、初めての絵の具の匂いがした。
丁寧に時間をかけた贅沢な作品は、目に見えない時間を閉じ込めたもの。
それが飾られた場所の空気を本物にします♫
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