美しきバルール 8

数年ぶりに実家に戻り、
そこから、職場と定時制高校へ通う事になった。

 私が施設にいた数年間、
家族にもいろんな変化が訪れていた。
 母は、度重なる脳梗塞の後遺症から すっかり子供の様な大人になっており、
家には、毎日の様に母を介助するヘルパーさん、
それでも人出が足りなくて、さらにお手伝いさんが 絶えず出入りするようになっていた。
 

父は、母の介護の為に、単身赴任先の名古屋から戻り、
建設省(現在の国交省)をやめ民間の会社へ転職した。 
とにかくカタくいつも強く見えてた父だったが、あまりの環境の変化に体調を崩し、
私にも弱音を吐くくらい弱っていた。

は、大学生だったが、
彼女なりにいろいろ模索していたらしく、
突然「ネパールに留学する!」と宣言して、
父の腰を抜かしていたりした。
 この頃の話は、姉の著書ーもっとあたしは、世界をみたいー(ポプラ社)にも掲載されています。
よかったら、ぜひお読みくださいね。 

実家に帰る事で、急に訪れた「自由」! 
テレビをみても、ご飯をおかわりしても、
何時に寝ても、誰に文句言われる事はない。
 とまどって、かえって「いいのかな〜?」
なんて思うくらい、急に戻った自由な生活だった。

 かつて、家を出た当時の、私が隠れる為の
隙間というか暗がりはもうなく、
子供の様になった母の一日を助けて行くだけで、
家族は精一杯だったので、
私の細かすぎる悩み(電車にのると動悸がする、とか
つらいから死にたいんだけど、、、)は
もう、どうでも良いレベルになる。
「もう、五体満足で毎日生きてるだけでいいじゃん!!」
となっていた。

 とにかく一日一日過ごせれば、
卒業に向かうのだろうと、 
数年経てば、感受性も今より鈍くなるだろうと 時折湧き上がる不安な気持ちを紛らわす為に、
 読書したり、
アクセサリーを作ったり、
花屋の仕事に没頭したり、
いろいろやってみた。 

その頃に、たまたま知り合った人から、
絵を描く事を勧められて、
 そこからどっぷり絵画の道にハマる事になる。  

丁寧に時間をかけた贅沢な作品は、目に見えない時間を閉じ込めたもの。
それが飾られた場所の空気を本物にします♫

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イタリアで美術を学んだ画家と、楽しい学びの時間

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