出発までの日が迫り、焦る私。モルタルを
丸京石灰さんから再度取り寄せ、質問すると、
親切な返信をもらいました。
「モルタルは湿気がありすぎても、なさ過ぎても固まりづらい。」
「基底材との相性も重要である」
「ブロック(塊)で展示したいなら、ある程度の厚みも必要。」
なるほど、いろいろふまえてまたモルタルを練り、原画を転写、着色します。
今度こそ、上手くいきます様に!
ざっと描写終了。あとは細部の描き込みのみ。
問題は、この描き終わってから額装までの過程。
フィレンツエのエレナ先生の教室で作った1枚目が上手くいったのは、
様々な要素が重なったのでしょう。
先生の助手が用意したくれた、基底材やモルタルの質そのもの。
制作時の温度や湿度。
帰国してから、ストラッポ(剥離)するまで数年経過したこと。
(時間が経てば経つ程、硬化する為)
この同じ条件をタイへ行くまでに再現するのは難しいと悟り、
ストラッポ(剥離)せず描き上げたモルタルそのものを額装しようと考えました。
もう、ど真ん中&垂直にヒビが入るのだけは勘弁!
心の中で叫びつつ黙々と作業、ヒビは味と言って良い許容範囲で一安心します。
国宝級なみの細心の注意を払いつつ、一部を布張りした板に固定。
嬉しいのとホッとしたのとで、床を転げ回りたかったのですが、
床は接着剤だらけだったので思いとどまります。
残りのカケラを組み合わせ、固定。一気にプレートや針金も固定します。
タイへの出発が目前に迫った今、ついに、ついに完成しました。
丁寧に時間をかけた贅沢な作品は、目に見えない時間を閉じ込めたもの。
それが飾られた場所の空気を本物にします♫
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