フィレンツェの話ー定規ー

フィレンツェ でのお話。

土曜と日曜は、どんなお店もきっちり閉店になる。
平日ですらお昼時は「きっちり2時間」シャッターを
おろしてお休みとなる。
日本のようなお客様第一主義ではなく、自分たちの生活をきっちり送ることに
情熱を注ぐ考え方が浸透している。
(同じイタリアでも、ミラノのような都市部は東京に近い感覚だそう)

留学中のある日。
制作の絵にまっすぐな線を引く必要があり、定規を買いに行くことにした。
コンビニはない。
アパートの近くに文房具屋さんがあった事を思い出し、お昼過ぎに出かけた。
(画材屋にお昼前に訪れたら、目の前で「これから私たちお昼だから」と何も変えずにすごすご
戻ってきた過去あり)

 目指す文房具屋さんに着くとまだ14時過ぎというのに、
 店主らしきおばさんがシャッターをおろしかけていた。
 今日は、金曜日。土日はどんなお店もきっちりお休みのフィレンツェ。
 
つまり、今日物差しを買えなければ、
 月曜以降しか手に入らない事にない。が、月曜は学校の授業がある。 
焦った私はあわてて声をかけた。 
「Buongiorno! あの、物差し〜!
物差しを買いたいんですけど、、、」
 店主のおばさんは、シャッターをおろす手を止めずにチラッとこちらを見た。
 どうも虫の居所が悪かったらしく「今日は、もう終わりよ!」とぶっきらぼうな一言。

あきらめかけたが、その時 陳列台に燦然と輝く物差しを見つけ 諦めきれなくなった。
入り口からわずか1メートル以内の距離。

 「そ、その物差しを買いたいんですけど〜〜」
 「だめだめ、もう閉店よ!」 ←まったく売る気なしの店主。

日本と違い、自分の要求をきちんと伝える努力をしないと
諦め続けることになってしまう。
つたないイタリア語で、切々と物差しの必要性を訴える私に根負けした店主は
ようやく物差しを私に売ってくれた。
ようやく手に入れた4ユーロの小さな物差し。

帰り道、物差しをを握りしめながら ”こんなやりとりって日本じゃ考えられないな〜”
思わず吹き出してしまった。 
(店主がなぜあんなにご機嫌斜めだったのか、
私の語学力じゃ聞き出せなかったけど、
 なんでだったのかな?
案外ここで会話が弾めば、ころっと陽気になる場合もあるのだ)

この物差しに似た出来事は、イタリアで、
その前後、旅したいろんな国で遭遇した。 
パック旅行では期間も短かく一般の
お店に立ち寄る機会はない。

 だが、チケットやホテルの手配、レストランへと、、、自分で作り上げる旅をした時には、
こういったストレートなやり取りを頻繁に繰り返すことになる。
 そして日本に帰国すると(とくにコンビニに入ると)マニュアル通りのやりとりに、
なんだか寂しい様な
もの足りない気持ちを味わうのだった。
 
時に腹をたてたりしつつも、
濃厚なコミニュケーションはやはり魅力的なのだ。
日本の中でも、下町や個人商店にいくと
まだまだ等身大のやりとりが残っている。
そういう人間くささって簡単、便利ではないけど、ニンゲンらしくて好きです。

皆さんはいかがですか?

丁寧に時間をかけた贅沢な作品は、目に見えない時間を閉じ込めたもの。
それが飾られた場所の空気を本物にします♫

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イタリアで美術を学んだ画家と、楽しい学びの時間

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