震災のこと 7

ずっと家で籠っていた日々、日時の感覚が麻痺してきたころ。

 「おちびと二人、高尾の実家に帰った方がいい」と
パートナーから切り出された。 
それまで、自分の気を持たせようと家でデッサンしたり、
音楽で癒されてもいたが、
時々見るテレビからは悲観的な
ニュースが流れ続け、その影響で気分は滅入りがち。 

自分でもそろそろこの精神状態はマズいと感じてはいた。 
でも心のどこかで、あと数日待てば、原発や流通の状態が劇的に改善されるんじゃないか
なんて淡い期待もあり、即座に、実家に戻るという決断は下せなかった。 

いつも、迷うときは、「勘」とでもいうのだろうか、
自身の心の奥の声(?)で判断する。
その時も、中々考えが
まとまらずに、おちびを預けて数日ぶりに街に出てみた。」
  夜の街。
節電の為か、街頭が少なく暗い。
 だが、電車が止まっていた為、沢山の人が歩いたり自転車で
移動しているため、
薄暗い街に妙な活気がある。 
駅周辺は被害が少なく、一瞬、あの大きな揺れは夢の中の
出来事ではなかったか、と錯覚したが、
ビルの看板や
ガラスが落下し散乱したあとを見ると、
ああ、やはり本当に
起きたことなんだな と実感する。 

いつ頃、元の生活に戻れるのだろうか? 
今後、原発はどうなるのだろうか? 
色々考えながら自宅に戻ると、居間で怖いくらいに
疲れきった表情のパートナーが目に入った。
 その瞬間に「これは実家に戻るべきだ」と悟った。 
ちょうど、仙台から出る高速バスが走り始めていた。

埼玉の従兄弟・M君が
仙台ー新潟間の高速バスのキャンセル1席をようやく見つけ 予約してくれた。
新潟のホテルの予約は、光ちゃんが素早くとってメールで知らせてくれる。
 版画家Mちゃんは、私が荷造りする間、ずっと子守りを
していてくれた。
 後日、確認したところ、この日は3月17日だった。
あの地震から6日がたっていた。

丁寧に時間をかけた贅沢な作品は、目に見えない時間を閉じ込めたもの。
それが飾られた場所の空気を本物にします♫

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イタリアで美術を学んだ画家と、楽しい学びの時間

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