震災のこと 5

あの激しい揺れから3日後。
13日(日)の朝に
いきなり電気が戻った。
と 同時に急に明るく、
いろんなスイッチが入り賑やかになる。

 早速、テレビをつけた。
 ラジオで情報は得ていたが、視覚の力は大きい。
 津波の映像と、福島原発の映像が流れていて
最初はよく飲み込めなかったのだが、
繰り返し繰り返し流れる映像をみるうちに
ようやく、ものすごい事がおきていると悟った。

 一般に「非常食は3日分備える」と いわれてる。
 だから3日間をこなせれば、やがて復旧工事が始まり
日常に戻るのだろう、
なんて勝手に思い込んでいた。 
でも、テレビで流れる映像の重さはどうだ? 
津波で海辺に300人の遺体が打ち上げられた?! 
夏に泳ぎにいったあの海で?!
うそでしょ?

え?原発がバクハツ?!
 漫画「AKIRA」に出てくる未来の話じゃないの?
 映画の話でもなくて「今」本当におきてるの? 
気仙沼の街が津波で壊滅?! 
3年前に個展したあの街だよね?
お世話になった学芸員さんの顔が浮かぶ。 

もう、とにかく信じられなかった。
 避難所でただジッとしていたあの時に
ちょっと離れた場所では、ものすごい事が
起きていたのだ。
 電気の復旧とともに携帯にもパソコンにも
沢山の安否メールが届いていて、
ますますとてつもない
出来事がおきてると実感した。

 そこからの数日が、長かった。 
原発の爆発で拡散した放射能の影響を考え、
できるだけ家にいる様にしたが、
一日がとてつもなく長い。 
8ヶ月のおちびは、無邪気に引き出しの中を取り出す。
本棚の本を全部だす。
洋服を全部まき散らす。
 それは、8ヶ月の乳児の「仕事」でもあるわけだが、
とりあえず私は片付ける。 
外出もせず、一日ひたすら片付ける。

終わりのない繰り返しが
先の見えない焦燥感を増幅させる。
 いずれ、自宅にある買い置きも尽きる。
私も買い出しの行列に
加わるのか。おちびをつれて何時間も並ぶのは、、、無理だ。
 テレビで報道される原発のニュースも物不足、燃料不足も
全く進展せず、
明らかに長期化の気配があった。

 その間、いろんな人が心配して連絡をくれたり、
画家仲間RちゃんやMちゃんが、
卵や貴重な差し入れを
届けてくれたり、、、、本当に感謝したい。 
(Rちゃんは震災直後に、見知らぬ親子や近所の知人、
家に帰宅できなかった人を
自宅で何泊も世話をしていた。
中々出来る事じゃない。すごい人だ) 

遠くの友人は荷物を送る事を申し出てくれたが、
残念ながら宅急便は、
11日からずっと麻痺していた。 
時間がたつごとに、震災直後にはなかった絶望感というか、
いろんな限界を感じはじめる。

そこで、テレビを消して再びラジオを付けた。
FMから流れる音楽でざわついた気持ちが落ち着いた。

丁寧に時間をかけた贅沢な作品は、目に見えない時間を閉じ込めたもの。
それが飾られた場所の空気を本物にします♫

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イタリアで美術を学んだ画家と、楽しい学びの時間

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